Down症と染色体(chromosome)
常染色体である21番染色体がトリソミーの場合に生じる先天性遺伝子疾患。
知的障害を持っている場合が多い。
また、筋緊張低下や先天性心疾患、甲状腺異常などを伴う場合がある。
体細胞の染色体全てがトリソミーの場合→標準型
体細胞の染色体の1部がトリソミーの場合→モザイク型
【トリソミー(trisomy)】
→ある染色体が3本存在すること。
※1本の場合はモノソミー(monosomy)
【原因】
1.減数分裂の際に原因不明の染色体不分離が起こることによるもの。
この場合、47本の染色体をもつ。
2.染色体不分離が受精後に細胞分裂のどこかで起こり、
組織によって、トリソミー細胞とそうでない細胞が混在することによるもの。
→モザイク型
3.21番染色体と15番染色体が融合し、遺伝子転座が起こることによるもの。
→21番染色体が1つ多くなるが、全体としては46本の染色体となる。
【関連ワード】
・クロマチン(chromatin)
→細胞内において、DNAはヒストンに巻き付いてヌクレオソームという構造
となっている。これがさらにまとまっており、凝縮した構造がクロマチン構造である。
・染色体(chromosome)
→細胞分裂期にクロマチン構造は色素で染色されることから、染色体と呼ばれる。
尚、間期においてクロマチン構造は染色されない場合がある。これも染色体であるが、
染色されないので、クロマチンと呼ばれる。
・(染色体)不分離(nondisjunction)
→減数分裂時に、染色体の分離が正常に行われず娘細胞に入ること。
→体細胞分裂では、母性、父性の相同染色体が赤道面に並ぶ→分離であるが、
減数分裂では、母性・父性の染色体がくっついたまま真ん中から分離する
→減数分裂では、不分離が起こりやすい。
・減数分裂(meiosis)
→配偶子(卵や精子など)が形成する過程で、染色体数を半減させる分裂のこと。
・転座(translocation)
→染色体の一部あるいは全体がほかの染色体にくっつくこと。