まいにちせいめいかがく

医学部学士編入を目指している人が生命科学に関する知識のアウトプットをするブログ。1日1テーマ~の投稿。

クエン酸(citric acid cycle)/TCA回路の流れ①

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ミトコンドリア内で行われる。

解糖系にて産出されたピルビン酸は、酸素が利用できる場合にクエン酸回路に入る。

①まず、ピルビン酸は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体により、

脱水素と酸化的脱炭酸を受け、アセチルCoAに転換される。

ここでは、補酵素A(CoA)と反応をする。

 

【反応式】

CH₃-CO-COOH + CoA-SH 

(ピルビン酸)        


→ CH₃-CO-S-CoA + CO₂ + 2H

 (アセチルCoA)

 

二酸化炭素と水素が脱離。→酸化反応。

脱離した水素の水素受容体であるNADが必要となる。→NADHが生成。

 

②生じたアセチルCoAをクエン酸シンターゼによって、オキサロ酢酸と縮合して、

クエン酸を生じる。

 

【反応式】

CH₃-CO-S-CoA + CO(COOH)-CH₂-COOH

(アセチルCoA)  (オキサロ酢酸)

 

→ CH₂(COOH)-C(OH)(COOH)-CH₂(COOH) + CoA-SH

       (クエン酸

 

クエン酸は、3つのカルボキシ基(-COOH)を持つので、

トリカルボン酸(tricarboxylic acid ; TCA)。

 

クエン酸は、

水素をたくさん持っている→脱水素反応の気質として有用

→酸化反応をたくさん行える。

 

 

 

免疫グロブリン(Immunoglobulin:Ig)の構造①

免疫グロブリン

→抗体。B細胞によってつくられる。

→決められた抗原に特異的に結合するタンパク質。

 

【基本構造】

図を参照。

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・2本のH鎖と2本のL鎖はS‐S結合。

・Fab部分→抗原結合部位。

・可変部(variable region)と定常部(constant region)

 

 

 

DNAのメチル化①

◎そもそも…

エピジェネティクス(epigenetics)】

DNAの塩基配列による遺伝情報を生まれつきのものとすると、

それ以外の生まれつきではないもの、

(DNAやヒストンの修飾によって→DNAの全体的な構造が変化する)

→これが細胞分裂を経ても受け継がれることで、遺伝子発現の変化が起こる。

 

この現象におけるDNAの主な修飾パターンがDNAのメチル化。

→シトシン(C)のあとにグアニン(G)が続く配列(CpG配列)の場合、

→DNAメチルトランスフェラーゼによって、

シトシン(C)がメチル化(シトシンにメチル基が付く)される。

(5'-CpG-3'と相補鎖3'-GpC-5'の配列のシトシンがメチル化される)

※この配列のほとんどはメチル化されている。

 

シトシンがメチル化された後にDNAが複製されると、

新たに合成されたDNAにおいても、

DNAメチルトランスフェラーゼによってシトシンがメチル化される

 

【CpGアイランド】

→CpG配列が多い領域のこと。

 

 

 

 

脂肪酸(fatty acid)/アラキドン酸カスケード(arachidonic acid cascade)

脂肪酸(fatty acid)】

脂肪族カルボン酸。

炭素-炭素間の二重結合を持つ脂肪酸不飽和脂肪酸と呼ぶ。

(二重結合を持たない脂肪酸飽和脂肪酸。)

この二重結合は細胞膜の流動性に影響している。

 

脂肪酸の炭素数と不飽和結合数は、

例えば、脂肪酸の1つであるアラキドン酸では

→(20(炭素数) : 4(不飽和結合数))であらわされる。

  

【アラキドン酸カスケード(arachidonic acid cascade)】

生理活性を持つ脂質を作る代謝経路の1つ。

 

例:アラキドン酸は、2分子の酸素とシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase)の作用で、

→プロスタグランジン類(prostaglandins)とトロンボキサン(thromboxane)に変換される。

→ここで生じる プロスタグランジン類は様々な生理活性を持つ。

 

不飽和脂肪酸から生成された生理活性物質を総称して、

エイコサノイド(eicosanoid)と呼ぶ。

 

 

自己免疫疾患(autoimmune disease)とサイトカイン(cytokine)①

自己成分に対する免疫反応により起こる疾患。

→通常は、トレランスにより、自己成分に対する免疫反応は起こらない。

 

・トレランス(tolerance)

→自己抗原に対して免疫系が反応しないこと。

詳しくは後日。

 

【自己免疫疾患の例】

・関節リウマチ(rheumatoid arthritis)

→関節が自己免疫に破壊される→発症。

 

→TNF(TumorNecrosisFactor)-α(腫瘍壊死因子-α)と

IL(InterLeukin)-6といった炎症性サイトカイン(cytokine)が関与。

 

【サイトカイン(cytokine)】

→免疫に関与する細胞間において、

作用を及ぼすリンパ球がタンパク質を分泌し、

作用を受ける側のリンパ球がタンパク質を受容体で結合することで

シグナル伝達を行う。→ここで用いられるタンパク質がサイトカイン。

白血球(leukocyte)間の相互連絡を行う為

→インターロイキン(InterLeukin)呼ばれていた。

(IL-〇などのサイトカインの個々の名称に残っている)

 

マクロファージがTLRによって異物を認識し活性化

→炎症性サイトカインを産出し、放出する。

→炎症性サイトカインとは?

→炎症反応を起こすことで抗原を撃退するもの。

 

【関節リウマチの治療】

→TNFを阻害する薬やIL-6が結合する受容体に結合してブロックする薬などがある。

 

 

【おまけ】

関節リウマチなどの治療に用いられる、

IL-6が結合する受容体に結合してブロックする薬物(Tocilizumab)が

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)において、

重症化した肺炎(炎症反応)に有効との可能性が示されている。

点突然変異(point mutation)②

今回は点突然変異のパターンについて。

 

①ナンセンス変異(nonsense mutation)

→塩基が置き換わり、アミノ酸のコドンが変化→終止コドンに変化、

→短いポリペプチド鎖が出来る→もとのタンパク質の機能がなくなる。

 

②ミスセンス変異(missense mutation)

→塩基が置き換わり、アミノ酸のコドンが変化→ほかのアミノ酸をコードするよう変化

→タンパク質の性質が変わるが、大きな差は生じない。

 

③同義変異(synonymous mutation)

→塩基が置き換わり、アミノ酸のコドンが変化→コードするアミノ酸に変化がない

→塩基だけが変化。

 

④サイレント変異(silent mutation)

→同義変異+ミスセンス変異。