まいにちせいめいかがく

医学部学士編入を目指している人が生命科学に関する知識のアウトプットをするブログ。1日1テーマ~の投稿。

2020-01-01から1年間の記事一覧

クエン酸(citric acid cycle)/TCA回路の流れ①

ミトコンドリア内で行われる。 解糖系にて産出されたピルビン酸は、酸素が利用できる場合にクエン酸回路に入る。 ①まず、ピルビン酸は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体により、 脱水素と酸化的脱炭酸を受け、アセチルCoAに転換される。 ここでは、補酵素A…

解糖系(glycolysis)【図】

免疫グロブリン(Immunoglobulin:Ig)の構造①

【免疫グロブリン】 →抗体。B細胞によってつくられる。 →決められた抗原に特異的に結合するタンパク質。 【基本構造】 図を参照。 ・2本のH鎖と2本のL鎖はS‐S結合。 ・Fab部分→抗原結合部位。 ・可変部(variable region)と定常部(constant region)

DNAのメチル化①

◎そもそも… 【エピジェネティクス(epigenetics)】 DNAの塩基配列による遺伝情報を生まれつきのものとすると、 それ以外の生まれつきではないもの、 (DNAやヒストンの修飾によって→DNAの全体的な構造が変化する) →これが細胞分裂を経ても受け継がれることで…

脂肪酸(fatty acid)/アラキドン酸カスケード(arachidonic acid cascade)

【脂肪酸(fatty acid)】 脂肪族カルボン酸。 炭素-炭素間の二重結合を持つ脂肪酸を不飽和脂肪酸と呼ぶ。 (二重結合を持たない脂肪酸は飽和脂肪酸。) この二重結合は細胞膜の流動性に影響している。 脂肪酸の炭素数と不飽和結合数は、 例えば、脂肪酸の1つ…

自己免疫疾患(autoimmune disease)とサイトカイン(cytokine)①

自己成分に対する免疫反応により起こる疾患。 →通常は、トレランスにより、自己成分に対する免疫反応は起こらない。 ・トレランス(tolerance) →自己抗原に対して免疫系が反応しないこと。 詳しくは後日。 【自己免疫疾患の例】 ・関節リウマチ(rheumatoid ar…

点突然変異(point mutation)②

今回は点突然変異のパターンについて。 ①ナンセンス変異(nonsense mutation) →塩基が置き換わり、アミノ酸のコドンが変化→終止コドンに変化、 →短いポリペプチド鎖が出来る→もとのタンパク質の機能がなくなる。 ②ミスセンス変異(missense mutation) →塩基が…

Down症と染色体(chromosome)

常染色体である21番染色体がトリソミーの場合に生じる先天性遺伝子疾患。 知的障害を持っている場合が多い。 また、筋緊張低下や先天性心疾患、甲状腺異常などを伴う場合がある。 体細胞の染色体全てがトリソミーの場合→標準型 体細胞の染色体の1部がトリソ…

シトクロムP450 (cytochrome P450 ; CYP)

薬物代謝などに関わっている酵素群。 小胞体に多い。 基質特異性が低い →様々な薬物を代謝する。 CYPの中に、薬物などの様々な化学物質により遺伝子発現が上昇するものがある。 →上昇すると、薬物の作用が弱まる。 →酵素誘導と呼ばれる。 →薬物の長期使用に…

トル様受容体 Toll-like receptor (TLR)

パターン認識受容体(pattern recognition receptor ; PRR)の1つ。 食細胞の細胞膜やエンドソーム膜にある、 病原体などの動物細胞には存在し得ない異物(抗原)の分子パターンを 認識する受容体。 →抗原特異的な受容体ではない →食細胞は様々な異物を貪食す…

Starlingの法則

収縮前の心筋の長さが長い程、収縮力が強くなる現象。 心臓における血液が多量になる→心室壁が引き伸ばされる →心筋の長さも大きくなる→収縮力が強くなる。 交感神経(sympathetic)系が心筋の収縮力を増加させる。 →交感神経系の働きは「fight or flight(闘う…

点突然変異(point mutation)①

遺伝子の1つの塩基が他の塩基に置き換えられる現象。 そもそも、 塩基3つ組が特定のアミノ酸に対応している。 →コドン(codon) 例:AUG(メチオニン:開始コドン) 【より限定的な定義は…】 塩基を置き換える→コードするアミノ酸が変化→タンパク質が変化、 →…

浸透圧(osmotic pressure)

【関連ワード】 ・溶媒(solvent) →ほかの物質を溶かす液体。 ・溶質(solute) →溶媒に溶けている物質。 ・半透膜(semipermeable membrane) →溶液を構成する一部の成分は通すが、ほかの成分は通さない膜。 →溶媒は通す。 →溶質は通さない。 半透膜を境に、異な…

抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone ; ADH)

またの名をバソプレシン(vasopressin)。 ペプチドホルモン。 【作用】 ・集合管に作用し、水の透過性を高める(水チャネルを開く)ことで、 →水が集合管外の間質へ出る(水を回収)。→尿の排泄量が減少する。 ・血管を収縮させる。 【分泌】 下垂体後葉(pitu…

Gタンパク質連結(共役)型受容体(G-protein coupled receptor)②

bionanoda.hatenablog.com この記事の続き。 ③効果器が活性化(効果器が酵素反応を行う)し、 ④シグナル伝達反応が起こる。 【③効果器の活性→④シグナル伝達反応】 →αサブユニットは他の酵素の活性を修飾する。 効果器の例1)アデニル酸シクラーゼ(adenylate …

解糖系(glycolysis)【要点】

細胞質で行われる。 1分子のグルコースが2分子のピルビン酸に酸化・分解される。 この過程において酸素を必要とせず、 ATPが合成される(2分子のATPが使われ、4分子のATPが生成される)。 またNADHが生成する。 【関連ワード】 ・糖(sugar/carbohydrate/sacc…

PCR (polymerase chain reaction)法

耐熱性のDNAポリメラーゼを用いてDNAを増幅するDNAの複製方法。 →遺伝情報の解析。 【⓪プライマー設計】 増幅したいDNAの5'側、3'側の塩基配列はわかっているとして、 増幅したい塩基配列に相補的なDNA断片を用意する。 【①加熱によるDNA鎖解離】 DNA溶液を…

Gタンパク質連結(共役)型受容体(G-protein coupled receptor)①

略してGPCR。 生体内における細胞膜受容体の中でもっとも多いタイプ。 7回細胞膜を貫通する受容体【7TM(7transmembrane)】。 3量体型Gタンパク質と会合している。 →Gタンパク質はα、β、γのサブユニットからなる。 GPCRにおけるシグナル伝達のおおまかな流れ …

Parkinson病

中脳の黒質を中心にドパミンを神経伝達物質として使用しているニューロンが集中的に死滅することで発症する変性疾患。 →ドパミン作動性ニューロンが死滅することで、シナプス間隙のドパミン濃度が低下する。→発症(症状は主に運動症状) 要因:α-シヌクレイン…