Gタンパク質連結(共役)型受容体(G-protein coupled receptor)②
この記事の続き。
③効果器が活性化(効果器が酵素反応を行う)し、
④シグナル伝達反応が起こる。
【③効果器の活性→④シグナル伝達反応】
→αサブユニットは他の酵素の活性を修飾する。
効果器の例1)アデニル酸シクラーゼ(adenylate cyclase)を活性化→cAMPが産出。
→これを活性化するαサブユニット【Gs(stimulatory)】
→これを抑制するαサブユニット【Gi(inhibitory)】
アデニル酸シクラーゼ→効果器(effector)
Gタンパク質→トランスデューサー(transducer)
cAMP→セカンドメッセンジャー(second messenger)
効果器の例2)ホスホリパーゼC(phospholipaseC;PLC)
→後日かく。
【Gタンパク質が活性から不活性に戻るところ】
①標的タンパク質が活性化したαサブユニットによって活性。
②GTPをGDPに加水分解する(αサブユニット自体がGTPase活性を持っている。)
③不活性型Gタンパク質に戻る。
【関連ワード】
・加水分解(hydrolysis)
→反応物が水と反応し、分解される現象。
解糖系(glycolysis)【要点】
細胞質で行われる。
1分子のグルコースが2分子のピルビン酸に酸化・分解される。
この過程において酸素を必要とせず、
ATPが合成される(2分子のATPが使われ、4分子のATPが生成される)。
またNADHが生成する。
【関連ワード】
・糖(sugar/carbohydrate/saccharide)
→カルボニル基(C=O)を有する、多価アルコールおよびその誘導体。
・細胞質(cytolasm)
→細胞膜で囲まれた部分(原形質)のうち、
核以外の領域。
・細胞質基質(cytosol)
→細胞質から細胞小器官を除いた部分。
・ATP(adenosine triphosphate)
→アデノシン(アデニン+リボース)+3つのリン酸。
PCR (polymerase chain reaction)法
耐熱性のDNAポリメラーゼを用いてDNAを増幅するDNAの複製方法。
→遺伝情報の解析。
【⓪プライマー設計】
増幅したいDNAの5'側、3'側の塩基配列はわかっているとして、
増幅したい塩基配列に相補的なDNA断片を用意する。
【①加熱によるDNA鎖解離】
DNA溶液を約95℃に加熱
→塩基同士の水素結合が切れる
→2本の1本鎖DNAにわかれる。
【②プライマー付着(アニーリング )】
温度を下げる(50~60℃)と、
1本鎖DNAの複製する領域の3'末端にプライマーが結合。
【③DNA複製】
温度を上げ(約72℃)、耐熱性(Taq)のDNAポリメラーゼを働かせると、
それぞれの1本鎖DNAが鋳型となり、2本鎖DNAが複製される。
◎なぜ耐熱性のあるTaqDNAポリメラーゼが用いられるのか?
→通常のDNAポリメラーゼでは熱により失活するため。
→あと①~③の繰り返し。
※RNAウイルス検出の場合
【関連ワード】
・DNA(deoxyribonucleic acid)
→細胞から細胞へ伝える遺伝情報。
・DNAポリメラーゼ
→後日まとめる。
・Thermus aqauaticus(Taq)
→高温の環境下で生息している真正細菌。
・プライマー(primer)
→ここではDNA複製時に起点となる塩基配列に相補的なDNAの断片。
・アニーリング(annealing)
→ここでは、解離した1本鎖DNA鎖にプライマーが付着すること。
Gタンパク質連結(共役)型受容体(G-protein coupled receptor)①
略してGPCR。
生体内における細胞膜受容体の中でもっとも多いタイプ。
7回細胞膜を貫通する受容体【7TM(7transmembrane)】。
3量体型Gタンパク質と会合している。
→Gタンパク質はα、β、γのサブユニットからなる。
GPCRにおけるシグナル伝達のおおまかな流れ
①GPCRのリガンドとの結合により、GPCRが活性化、
②Gタンパク質(3量体型Gタンパク質)が活性化されることで、
③効果器が活性化(効果器が酵素反応を行う)し、
④シグナル伝達反応が起こる。
【⓪GPCRにリガンドが結合していない状態→GPCRが不活性】
→αサブユニットにGDP(不活性型)が結合している状態。→Gタンパク質が不活性
【①-②GPCRにリガンドが結合した状態→GPCRが活性】
→αサブユニットからGDPが解離。
【③効果器が活性化】
→GTPが結合すると、αサブユニットはβ、γから解離する(立体構造を変化させる)。
この酵素をGタンパク質の効果器といい、効果器が酵素反応を行う。→効果器が活性
【④シグナル伝達】
【関連ワード】
・会合(association)
→(この場合)分子が、複数結合し、1つのまとまりとして動く現象。
・解離(dissociation)
→(この場合)分子が分裂し、より小さい分子を生じる現象。
・受容体(receptor)
→細胞から細胞への情報伝達において、情報伝達分子(シグナル分子)を受容するタンパク質。
・リガンド(ligand)
→受容する細胞側から見た、受容体に結合するシグナル分子。
・効果器(effector)
→何らかの細胞機能の変化につながるイベントを引き起こす分子。
Parkinson病
中脳の黒質を中心にドパミンを神経伝達物質として使用しているニューロンが集中的に死滅することで発症する変性疾患。
→ドパミン作動性ニューロンが死滅することで、シナプス間隙のドパミン濃度が低下する。→発症(症状は主に運動症状)
要因:α-シヌクレインの蓄積。
治療:L-ドパを投与することでドパミン濃度を維持する。
L-ドパは血液脳関門を通過してドパミン作動性ニューロンに取り込まれて、ドパミンに代謝される。→ドパミン濃度を維持。
【関連ワード】
・神経伝達物質(neurotransmitter)
→ニューロンからニューロンへの情報伝達に使用される化学物質。
軸索末端→樹状突起の方向で放出される。軸索末端に神経伝達物質は貯蔵されている。
ちなみに、神経伝達物質の放出はエキソサイトーシス。
・変性疾患(degenerative disease)
→ある機能系に属するニューロン集団が不明の原因で死滅することで発症する疾患。
・血液脳関門(brain-blood barrier)
→血液中の物質が脳内へ取り込まれることを物質の透過により制限している。脳毛細血管内皮細胞により構成されている。
・ドパミン(dopamine)
→CNSにおける神経伝達物質。前駆体がL-dopa。
・代謝(metabolism)
→生体内の化学反応。複雑な物質を単純な物質に分解する過程が異化(catabolism)。